|
葬儀の費用は、どのような葬儀をするかによって大きく変わります。内容、規模、会葬者の数、会食の方法など、会葬者の多い盛大な葬儀を行おうとすれば、当然費用がかかります。かつてバブル全盛の時代には、大きな祭壇や立派な院号のついた戒名など、葬儀にお金をかけることが「故人の供養なる」「故人の恥にならない」と思い込んでいる遺族が多くいました。さらに、葬祭業者のなかにも「世間並み」「社会の常識」という言葉を巧みに使って、価格を割高に設定している所もあったのです。なぜ、このようなことが起こるのでしょうか?
その要因のひとつが、葬儀にかかる費用が消費者から見てわかりにくい料金設定になっている点です。これは葬祭業者の悪しき慣習のとして、祭壇や棺などの物品の料金の中に、葬儀の企画料や人件費、サービス料などが含まれているので、物品と人的サービスがセット料金となっているためです。これは人的サービスではお金を取ることが出来なかった昔の日本の商習慣が、未だに葬儀業界に残ってしまっているからです。
人が多く集まれば費用はかかる。無駄を省けば費用はかからない。このあたりまえの理屈は葬儀費用を決める際にも何ら変わることはありません。要は自動車を買うときや家を建てるときと同じように、詳細な説明と見積りを信頼できる業者に出させることが大切です。
では具体的に、一般の生活者は葬儀費用をどんな基準で、誰の助言を受けて決めているのでしょうか。「第6回葬儀についてのアンケート調査」によると※2、葬儀費用については44,1%の人が親族の意見によるものと回答し、さらに助言を受けたのも同じく親族と答えた人が68,0%と圧倒的な割合となっています。次いで「地域の習慣」「葬儀社の助言」が、それぞれ1割を超えています。また注目したいのが「生前の遺言および希望」と答えた人が6,9%と、平成8年に実施された前回調査より確実に伸びているという点です。しかし、ほとんどすべての人が葬儀を葬祭業者に依頼していることを考えれば、葬祭業者の選択こそが葬儀費用を決定するうえで何よりも重要になってきます。
そこで、今度は葬儀を請け負う側の葬祭業者が用意している費用の決め方について見てみましょう。「葬儀にかかわる費用等調査」※1によると、58,6%と6割近い業者が『基本のセット料金に、その他の費用をたしていく方法』を採用していることがわかります。このシステムの場合でも基本部分にどのような項目が含まれているかを、しっかりと確認することがトラブルを避けるためにも必要です。次に『すべての見積りを出す』と回答した業者が32,8%でした。全部の項目をきちんと検証しながら費用を決める場合は、こうした葬祭業者を選ぶといいでしょう。さらに『葬儀一式で料金が決まっている』が7%ありますが、この場合は一式の内容に無駄なものが含まれていないかを確かめることが必要です。
いずれにせよ、葬儀とは地域ごと、家族ごと、その人ごとに違った考えと、それに則したかたちがあっていいはずです。あくまでもアンケート結果やデータは、自分らしい葬儀を行うためのひとつの目安と考え、平均的な葬儀費用に囚われることなく妥当性を持った考え方が必要です。
|